広島大学
ダイバーシティ&インクルージョン推進機構
The Institute for Diversity & Inclusion, Hiroshima University

Activity

ゆるスポーツ体験会を開催しました

日時

2024年12月8日(日)

場所

広島大学  西体育館

参加者

40名(対象:広大関係者)

主催

ダイバーシティーセンター

実施目的と概要

本イベントは、「『ゆるスポーツ』からみるスポーツの包摂性についての研究プロジェクト」の一環として行った。

プロジェクトでは、スポーツの排他性を課題ととらえ、「ゆるスポーツ」という新しいスポーツをヒントにして、スポーツの包摂性について明らかにする。最終的には、大学のスポーツの授業の包摂度を高めるとともに、地域や職場で包摂的なスポーツイベントを実施し、メンバー間の関係づくりに寄与することを目指す。

*「ゆるスポーツ」とは、「世界ゆるスポーツ協会」が提唱する「年齢・性別・運動神経に関わらず、だれもが楽しめる新スポーツ」(協会サイトより)である。 6年度は前調査として、「ゆるスポーツ」体験会を大学内で開催し、本学学生、教職員、その家族にモニターとして参加してもらった。午前と午後、合計40名が8種目を体験した。事前事後のアンケートならびにインタビューを行って、「ゆるさ」すなわち包摂性について探った。

レポート

参加者は、20代が多い(40名中20名)ものの、10代~50代に広がっていた。実施前アンケート回答者29名のうち、22名がスポーツが「好き」「どちらかというと好き」、7名が「嫌い」「どちらかというと嫌い」と回答しており、嫌いな人も一定程度引き付けることができた。スポーツが嫌いな人のインタビューでは、「名前を見て、どんな競技か全然想像できなくて面白そうって思った…堅苦しい雰囲気も文面から感じなかったので参加のフォームを送りやすかった」「先輩が誘ってくれたし、ゆるスポーツって書いてあるし、出るかみたいな感じで出た」という回答もあり、一般的なスポーツイベントよりも参加のハードルが低かったことがうかがえる。また、アンケートの「参加した理由」(複数回答可)の回答として、「ゆるスポーツが面白そうだった」(最多16名)以外に、「だれでも楽しめるスポーツという理念に共感した」という回答も9名おり、「ゆる」への興味関心が見られた。

実施後アンケートで、「イベント全体の感想」として

  • 全体的に個人個人のもともとの運動能力?によらず全員が同じようにスタートできてそれぞれに活躍の場面があってとてもよかったなと思いました。
  • 知らない人同士だったが、スポーツを通してだんだん仲が深まり、一体感が生まれ、とても楽しかった。
  • みんなで楽しもうではなく、きちんと勝ち負けを競ったことで、初対面の人でもチーム内に一体感が生まれて楽しかった。ゲーム性が強く、運動神経や体力はあまり関係がない競技もあり、戦略の練り方が大事だと感じた。
  • 老若男女が同じ空間で同じスポーツをできているのが素敵だなと感じました。
  • イベント自体がとても楽しい雰囲気だったので、勝敗の楽しさとスポーツ自体の楽しさを味わうことができました!また、準備物もとてもかわいくて興味をひくもので、やってみたい!と自然になりました!

といったコメントが寄せられた。

インタビューでも、ゆるスポーツを楽しめた要因として、だれもが初体験の競技だったので巧拙が出にくかったこと、初めての競技でみなで戦略を練るのが楽しかったこと、笑いや大きな声が出て盛り上がれたことなどが、上がっている。

総じて、年齢や運動経験が異なる初対面の人と、だれも排除することなく、一定のルールの下で頭と体を動かして勝敗を競うことで、一体感が生まれるという経験だったことが分かる。なお、アンケート回答者のうち24名がインタビューに協力可能と答えていたことも、関心の高さの表れと解釈できるだろう。

今後、7年度にパイロット調査、8年度に本調査をして、9年度に分析結果をまとめ、スポーツの包摂性を明らかにする。実装面では、広島大学の授業で包摂性の高いスポーツを実践するとともに、地域や職場で包摂的なスポーツ大会を実施して、だれもが参加できる社会づくりに寄与する。

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