第3回 広島大学・国立特別支援教育総合研究所ジョイントセミナー「ダイバーシティ、インクルージョンとウェルビーイングの新たな連携 −相互支援と共生を促進する持続可能な未来へ−」を開催しました
日時
2024年11月23日(土)
09:30 am〜16:30 pm
場所
ANAクラウンプラザホテル(広島市)
参加者
321名(対面124 、オンライン197)
主催
ウェルビーイング推進室
実施目的と概要
身体的、精神的、情緒的、社会的な健康を包括するウェルビーイングに関する理解を深めることを目的とし、インクルージョンやインクルーシブ教育を通じて、教師や必要不可欠な労働者を支援するための戦略に焦点を当てました。医療、教育、経済の見識を統合することで、個人や地域社会の幸福度を高めるための実践的なアプローチを提示し、参加者に包括的で持続可能な未来に向けた一歩を踏み出していただくことを目指しました。
レポート
冒頭では、当機構 鈴木由美子機構長より、包括性と協力の重要性について、また、国立特別支援教育総合研究所の清重隆信理事より、社会全体の幸福度を高めるためには共同努力が欠かせないというお話がありました。
主な講演では、4人の専門家による多角的な視点からの講演が行われました。ロンドン大学のAlberto Prati氏は「標本調査によるウェルビーイングの測定」と題し、主観的幸福度測定について紹介しました。コロラド大学ボルダー校のJessica Doty氏は「Z世代: 高等教育におけるウェルビーイングと公平性への道程」と題し、高等教育における公平性とメンタルヘルスについて、教育現場における公平性の向上と学生のメンタルヘルス支援の重要性について語りました。また、本学医学部の檜井孝夫は「ゲノム医療がもたらすがんの治療やリスク評価とウェルビーイング」と題し、ゲノム医学が幸福に与える影響について、ゲノム研究が健康と幸福にどのように寄与するかを解説しました。また、国立特別支援教育総合研究所の大崎博史は「学校現場で医療との連携が必要な子供たちのウェルビーイングをめざして」と題し、特別支援教育の戦略について、特別支援教育の現状やウェルビーイング向上のための具体的な取り組みを紹介しました。
ランチタイムには、特別イベントとして、現役医師の音楽ユニットInsheart(インスハート)と、えんぜるふぃっしゅ(日本ダウン症協会広島支部)による文化と治療表現を融合させたパフォーマンスが行われました。また、Insheartによる医療と音楽の観点からのウェルビーイングと題した音楽の癒しの力に関する講演も行われ、音楽がもたらす心理的効果について多くの参加者の関心を集めました。
午後のセッションでは、川合紀宗の司会のもと、パネルディスカッションが行われました。ここでは、学際的な視点からウェルビーイングへのアプローチについて議論が交わされ、包括的で持続可能な社会を構築するための集団的努力の重要性が改めて強調されました。
セミナーの最後には、広島大学ダイバーシティ&インクルージョン推進機構 川合紀宗 ウェルビーイング推進室長より、分野を超えた協力を継続することの重要性に触れ、今後も包括的で支援的な未来を共に創り上げていくことを参加者一同に呼びかけました。 当日は、多くの方々にご参加いただき、セミナーを盛会のうちに終えることができました。ご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。今後もウェルビーイング、インクルージョン、特別支援教育に関する教育・研究を推進してまいりますので、引き続きご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。